コルクマットの厚さはメーカーや製品によってまちまちですが、何を基準に選んだらいいのでしょうか。
また、コルクマットの「厚手」タイプのものがジョイントマットの「厚手」ほど厚くないのはなぜ?
「薄型」であることのメリットを整理することで選ぶ基準が見えてきます。
薄型コルクマットのメリット4点だけでなく、薄いことによるデメリットが気にならずに使えるのはどういうパターンかについてもご紹介していきたいと思います。
コルクマットと厚さの関係
コルクマットの製品のラインナップを調べていると、赤ちゃんや小さい子供のいるファミリーをターゲットにした「赤ちゃん本舗コルクマット」や「やさしいコルクマット」を見ると、ジョイントマットに比べて薄手のものが多いことに気付きます。
コルクマットのベース素材
形状だけでなく、コルクマットのベース素材は、ジョイントマットです。
まず、ジョイントマットは、
- PE(ポリエチレン)…「防水性」、「耐油性」、「防寒性」、「絶縁性」、「耐アルコール性」に優れた素材
- EVA(エチレンビニルアセタートコポリマー)… PEに対してゴム弾性(引張強度)を高めた素材
- それらを混合したもの
のどれかでできています。
コルクマットは、一般のジョイントマットの表面に薄い天然コルク(※)で覆ったものです。
※コルクマットの成型… ジョイントマットを覆う(貼り付ける)ための薄いコルクは、コルクの粒や粉を接着剤で固めた塊をまず作り、それを薄くスライスして作ります。
コルクマットはジョイントマットよりも薄い傾向
ジョイントマットにコルクを貼り付けるためジョイントマットよりも厚くなるのが自然ですが、多くのメーカーでコルクマットの方が薄い方が多いです。
(参考)「やさしいシリーズ」の厚さ比較表
やさしい ジョイント マット |
やさしい コルク マット |
|
---|---|---|
普通判 | 10mm | 8mm |
大判 | 10mmと 20mm【極厚】 |
11mm【極厚】 |
薄型コルクマットのメリット4点
1.厚すぎない方が長持ちする
厚すぎるコルクマット(20㎜など)はかえって寿命が短い。上で触れた疑問の答えは耐久性です。
理由は、厚すぎるとコルクマットが反ったり、コルクがはがれやすくなったりするためです。
具体的には…
まずコルクマットを厚くするためには、(コルク地を厚くするのではなく)EVA(またはPE)を厚くする方が安全性が高く経済的です。
なぜなら、コルクよりもEVA(またはPE)の方がクッション性が高くて、原材料費が安価だからです。
ところがここで問題になるのが、コルクとEVA(またはPE)との伸縮差です。
もしEVA(またはPE)が厚すぎると、日々上から掛かる圧力によって大きく伸縮するEVAにコルクが追い付かなくなるということなのです。
同じメーカーでもジョイントマットの極厚を20㎜厚に、コルクマットの極厚を(20㎜ではなく)11㎜厚に設定している要因はここにあります。
2.比較的安い
薄い方が価格が安いです。
使われる原材料が少ない分、当然、価格差は出ます。
同じ予算の中で、厚さよりも広さを優先することも選択肢の一つですね。
(参考)「やさしいコルクマット」価格比較表 単位:円(税込)
1畳 | 2畳 | 6畳 | 8畳 | |
---|---|---|---|---|
標準判 【薄型】 |
1980 | 3580 | 11180 | 13980 |
大判 【極厚】 |
2980 | 4980 | 12980 | 16980 |
※価格差には、厚さ以外にパーツの辺の長さ(大判か標準判か)の差も含まれます。
3.ドア・扉・引き出しなどに当たりにくい
薄い方が、部屋のドア、クローゼットや家具の扉に当たらず敷けます。
注意の必要な例
例1)テレビボードなど扉の下のすき間。
例2)ドアが開ききったところでカチッと止める機能が付いたものも。一見ドアと床の間のすき間は広く見えてもドアの下にカチッととめるための突起があるかもしれません。
例3)壁一面のクローゼット。バリアフリーの床にレールの付いた折戸タイプの扉になっている場合は、基本的に床スレスレです。
なお、コルクマットを家具の下まで敷き詰める場合には気にする必要はありませんが、背の高いものはコルクマットの上に置くと不安定ですのでおすすめしません。
4.比較的カットしやすい
薄い方が、コルクマットをカットしやすいです。
縁(ヘリ・フチ)のギザギザの処理や、部屋の形にキッチリ合わせることは、見た目の面だけでなく衛生面において大切です。
厚いよりは薄い方が、楽に切ることができます。
デメリットが気にならないパターン
パターン1)滑らない事がメインの目的
犬や猫などリビングで人間といっしょに暮らすペットの中には、フローリングだと滑って足の踏ん張りがきかず、体に悪影響を与えることがあるようです。
滑らない事がメインの目的の場合には上に触れたメリットがデメリットを上回ることがあるのではないでしょうか。
パターン2)床の保護がメインの目的
子供はある程度大きくなってきたけれどもまだまだワンパク盛り。クッションまではいらないけども、フローリングをキレイなまま保護したい…
賃貸のお部屋を、退居時にキレイなまま返すことで、修繕費などの余計な出費を抑えたい…
ということが目的の場合も、薄いことのメリットがデメリットを上回ることがあるのではないでしょうか。
パターン3)接地面が動くのでヒヤッとさえしなければいい目的
キッチンの足元や、脱衣所、洗面所においては、あまり長時間同じ場所にいませんんし、キッチンで立ち仕事が長いときでも、足が同じ場所にずっとあるわけではありませんので、体温がそこで留まるわけではありません。
とはいえ、暖房が届きにくい場所ですし、ヒヤッとするのは何としても避けたいです。
この場合は、薄手のものでも十分目的を達することができるかもしれません。
レギュラーサイズのコルクマットのおすすめ
レギュラーサイズと、厚手のタイプ、ぜひ用途と値段とのバランスでお選びください。
まとめ
薄型が厚手よりも優れている点4つと、薄型でも問題の無い3つのパターンを見てきました。
「厚手」か「薄型」どちらにするか、ぜひ参考になさってください。