コルクマット(ジョイントタイプのコルク柄マット)はメーカーによって使っているコルクの粒が違うことは、近くに並べてみるとよくわかります。
そうはいっても手許に並べて比較できる機会も多くはありませんので、ここではコルクマットのコルクの作られ方と、大粒と小粒の特徴の差を出来るだけ網羅的にご紹介していきたいと思います。
コルクマットのコルク部分の作られ方
コルクマットの多くはコルク100%で出来ていません。
というのも、コストや耐久性の観点でEVA等の柔らかい樹脂の表面にコルクを貼り付けて作られます。
1)コルク素材とはコルク樫という木から採れる樹脂です。
その樹脂のうち、大きさのあるものは、先に、ある程度大きさの必要な例えばコルク栓のような製品を利用され結果その周囲のコルクの欠片が残ります。
それらをふるいにかけて、粉のような細かいものを取り出したのが【小粒】として利用されます。
そして、残ったコルクの粒状の粗くて不揃い(ふぞろい)なもの、場合によつては木の皮が混在したものが【大粒】として利用されます。
2)これら小粒は小粒で寄せ集め、大粒は大粒を寄せ集め、それぞれ接着剤で固めてある程度大きな直方体にします。
3)そのあと、EVA樹脂などに貼り付けるために、それを薄くスライスして、コルク地が出来上がります。
大粒(混在粒)と小粒の違い
先に触れました「作られ方」からわかりますように、
大粒のものは上から見ると、大きい粒がキレイに揃っているのではなく、「柄が不規則」という特徴があります。
次に、大粒のものを横から見ると、厚みまで大粒になるということではありません。なぜなら粒の大きさを気にせずに例えば1㎜など指定の厚さにスライスするためです。
上から見た違い
デザイン性
【小粒】のものは、ワインのコルク栓に比べると模様がかなり地味になります。
【大粒】のものは、異なる大きさの粒や木の皮が混じるため自然素材感が出て少し賑やかな印象になります。
この比較はどちらがいいというものではなく、使う方のお好みになるかと思います。
敷く面積が大きい場合は特にお部屋の印象を変えかねません。
お部屋の雰囲気や他の家具とのバランスを考えたときに
・自然素材感を味わうなら派手な大粒を、
・周りを引き立たせたいなら地味な小粒を、
または
・コルク地の無いEVA樹脂のみのジョイントマット(コルクマットではない)
もあわせて選択肢としてご検討いただくことをオススメします。
参考>ジョイント式のマットの中でコルクマットを選ぶ人が重視する事
粒と粒の接着強度
コルクマットは乱暴に扱うと取り換え時期が早くくるかもしれません。
【大粒】か【小粒】かというよりもむしろ、壊れる要素としては、コルクとEVAの間の接着がめくれる可能性の方が高いと思います。
【大粒】か【小粒】かという比較を敢えてすると【小粒】の方が耐久性が高いと言えます。
しかしながら、たとえ【大粒】のものであっても、激安のものを選ばなければ、ボロボロとコルクが分解されるような事はありません。
このことを気にして【大粒】を避ける必要はないと思います。
上から触った違い
敢えて言うとというくらいの違いでしかありませんが、
【大粒】のものは、比較的ねっとりした感覚を受けます。粘ついているわけではありません。
【小粒】のものは、比較的サラッとしています。
これもどちらがいいというよりは、敷く場所やお好みによってなるか思います。
ジョイント(つなぎ目)部分との関係
コルクマットに限らずジョイントマットは、正方形のパーツをつないで使います。
ですので、つなぎ目が目立ちやすいというデメリットがあります。
もし、コルク地の選択理由が、「つなぎ目のカモフラージュ」でしたら、ランダム性の強い【大粒】の方が向いているかもしれません。
横から見た違い
耐衝撃性、防音、底冷え対策
上で触れましたように、コルク地は指定の厚さにスライスされるわけですので、「粒の大きさ」と「コルク地の厚さ」とは因果関係がありません。
そのため、
コルクマットは「床からの衝撃」や「床に響く音」や「床からのヒヤッと感」を和らげてくれますが、これらの性能は、大粒か小粒かによる違いはありません。
因みに、
コルク地が厚かったらこれらの性能が良くなるかというと、違っていて、やはり「EVA素材の厚さ」に比例するようです。
まとめ
ひとくちに「コルクマット」といっても、メーカーや製品によってそのコルク地には特徴があります。
クッション性や防寒性は、粒の大きさではなく、EVAの厚さによるものが大きいですので選ぶときに粒の大きさについてはそれほど気にしなくてよさそうです。
逆に、見た目の印象や触り心地に差が出ますので、誰のためにどこに敷くかによって、そして、お部屋の雰囲気や家具のテイストに合わせて注意して粒の大きさを選ばれることをオススメします。